
特に、連立不等式の解き方や、文章問題の攻略法がまったく分からず、正直(テストに向けて)不安しかないです。試験でよく出る一次不等式の応用問題パターンがあれば、解き方やコツを教えてください!
この記事では、こういった疑問に答えます。
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※リンクをクリックすれば練習問題へジャンプできます
上のリンクをクリックして、自分が苦手だと感じている問題だけにチャレンジしてもOK。
一次不等式の応用問題で困ったときは、いつでもこの記事に遊びに来てください。
不等式の基礎知識については、以下の記事でサクッと確認できます。
不等式の5つの性質を”10秒以内”にパッと思い出せない方は、応用問題を解く前に一度、目を通しておくと良いでしょう。
》参考:5秒で理解する不等式の性質まとめ|高校生が必ずつまづく基礎問題付き
一次不等式の応用問題の解き方|「計算問題」編
一次不等式の試験で頻出する応用問題の一つが、少数・分数を含んだ計算問題です。
少数や分数を整数に直す過程で計算ミスしてしまわないよう、慎重に解いていきましょう。
- $0.3x-5.1>-0.2(x+0.3)$
- $x+\dfrac{1}{6}≧\dfrac{5x}{3}-\dfrac{5}{2}$
》スキップ:「xの値の範囲を求めよ」編
》リターン:目次
問題|少数を含む一次不等式の解き方
少数を整数に直すため、両辺に10を掛けて
$$3x-51>-2(x+0.3)$$
$$※0.3は整数に直らないことに注意$$
右辺の $()$ を外して
$$3x-51>-2x-0.6$$
左辺に $x$ を、右辺にその他をまとめると
$$5x>50.4$$
よって、答えは
$$x>\dfrac{50.4}{5}・・・(答え)$$
問題|分数を含む一次不等式の解き方
分数を整数に直すため、両辺に $6$ を掛けると
$$6x+1≧10x-15$$
左辺に $x$、右辺にその他をまとめると
$$-4x≧-16$$
両辺に $-1$ を掛けて
$$4x≦16$$
両辺を $4$ で割ると、答えは
$$x≦4・・・(答え)$$
さらに問題を解きたい方は、以下の記事からどうぞ!
分数・少数を含む一次不等式の練習問題を5つ以上解説しています。
》参考:分数・少数を含む一次不等式の解き方+練習問題5選【文章題つき】
一次不等式の応用問題の解き方|「xの値の範囲を求めよ」編
続いては「xの値の範囲を求めよ」系の応用問題。
こういった問題を解くコツは、数直線を利用しながら、文字・式の値の範囲や関係性を明確に意識することです。
しっかりと問題文を読みこんで、油断せず解いていきましょう!
- $6x+8(4-x)>5を満たす、2桁の自然数xをすべて求めよ。$
- $不等式$$x<\dfrac{3a-2}{4}$$を満たすxの最大の$$整数値が5である$$とき、定数aの値の$$範囲を求めよ。$
》スキップ:「絶対値を含む不等式」編
》リターン:目次
問題|「2桁の自然数xをすべて求めよ」
まずは左辺の $()$ を外して
$$6x+32-8x>5$$
左辺に $x$、右辺にその他をまとめて
$$-2x>-27$$
両辺に $-2$ を掛けて
$$x<\dfrac{27}{2}$$
$$符号が変わっていることに注意$$
すなわち、xの値の範囲は $x<13.5$であり、これを満たす「2桁の自然数x」は
$$10,11,12,13・・・(答え)$$
問題|「定数aの値の範囲を求めよ」
$x<\dfrac{3a-2}{4}$ を満たすxの最大の整数値が5であるから
$$5<\dfrac{3a-2}{4}≦6・・・(※)$$
各辺に $4$ を掛けて
$$20<3a-2≦24$$
各辺に $2$ を足して
$$22<3a≦26$$
各辺を $3$ で割って
$$\dfrac{22}{3}<a≦\dfrac{26}{3}・・・(答え)$$
- $(※)$ は、連立不等式として解いてもOK!
\begin{array}{l}
5<\dfrac{3a-2}{4}・・・①\\
\dfrac{3a-2}{4}≦6・・・②
\end{array}
\right.$$①より$$\dfrac{22}{3}<a・・・①$$②より$$a≦\dfrac{26}{3}・・・②$$①と②の共通範囲を求めて$$\dfrac{22}{3}<a≦\dfrac{26}{3}・・・(答え)$$
一次不等式の応用問題の解き方|「絶対値を含む不等式」編
高校一年生が最初につまづくのが、この「絶対値を含む一次不等式」だと思います。
絶対値問題には場合分けが付きもの。
不等式の性質もしっかりと意識しつつ、ミスの無いように場合分けを進めましょう。
- $|2x+1|-1≧0を解け$
- $|3x-4|<2xを解け$
》スキップ:「連立一次不等式」編
》リターン:目次
問題①|絶対値を含む一次不等式
絶対値の中身が正の時と、負の時とで場合分けすると
$Ⅰ)2x+1≧0$ のとき
絶対値記号を外して
$$2x+1-1≧0$$
$$2x≧0$$
$$x≧0・・・Ⓐ$$
$Ⅱ)2x+1<0$ のとき
絶対値記号を外して
$$-(2x+1)-1≧0$$
$$-2x-2≧0$$
各辺を $-2$ で割って
$$x+1≦0$$
$$※不等号の向きが逆転していることに注意$$
最後に $1$ を右辺に移項して
$$x≦-1・・・Ⓑ$$
ⒶⒷより
$$x≦-1,または0≦x・・・(答え)$$
問題②|絶対値を含む一次不等式
絶対値の中身が正の時と、負の時とで場合分けすると
$Ⅰ)3x-4≧0$ のとき
絶対値記号を外して
$$3x-4<2x$$
左辺にx、右辺にその他をまとめると
$$3x-2x<4$$
$$x<4・・・Ⓐ$$
$Ⅱ)3x-4<0$ のとき
絶対値記号を外して
$$-(3x-4)<2x$$
$$-3x+4<2x$$
左辺にx、右辺にその他をまとめると
$$-3x-2x<-4$$
$$-5x<-4$$
両辺を $-5$ で割って
$$x>\dfrac{4}{5}$$
$$\dfrac{4}{5}<x・・・Ⓑ$$
$$※不等号の向きが逆転していることに注意$$
ⒶⒷの共通範囲を求めると
$$\dfrac{4}{5}<x<4・・・(答え)$$
一次不等式の応用問題の解き方|「連立一次不等式」編
一見難しく見える連立一次不等式ですが、実は割と簡単。
やるべきことは『それぞれの一次不等式を解いて範囲を合わせる』。
これだけでして、あとは問題文を理解できれば大抵の問題は楽勝です。
$x$についての連立不等式
$$\left\{%
\begin{array}{l}
3a+1<x・・・Ⓐ\\
2x-1>6(x-2)・・・Ⓑ
\end{array}
\right.$$
について、次の条件を満たす$a$の値の範囲を求めよ。ただし、$a$は定数である。
- ①連立不等式の解が存在しない
- ②連立不等式の解に2が含まれる
- ③連立不等式の解に入る整数が3つだけとなる
》スキップ:「文章問題」編
》リターン:目次
問題①|連立不等式の解が存在しない
$$\left\{%
\begin{array}{l}
3a+1<x・・・Ⓐ\\
2x-1>6(x-2)・・・Ⓑ
\end{array}
\right.$$
Ⓑより
$$2x-1>6x-12$$
$$11>4x$$
$$\dfrac{11}{4}>x$$
よって、$x$の値の範囲は
$$\left\{%
\begin{array}{l}
3a+1<x・・・Ⓐ\\
x<\dfrac{11}{4}・・・Ⓑ
\end{array}
\right.$$
連立不等式の解が存在しない(=ⒶとⒷの範囲が重ならない)ための条件は、
$$\dfrac{11}{4}≦3a+1・・・(条件)$$
(条件)より、両辺に $4$ を掛けて
$$11≦12a+4$$
$$7≦12a$$
よって
$$\dfrac{7}{12}≦a・・・(答え)$$
問題②|連立不等式の解に2が含まれる
$$\left\{%
\begin{array}{l}
3a+1<x・・・Ⓐ\\
x<\dfrac{11}{4}・・・Ⓑ
\end{array}
\right.$$
連立不等式の解に「2」が含まれる(=ⒶとⒷの間に2が存在する)ための条件は、
$$3a+1<2・・・(条件)$$
(条件)より
$$3a<-1$$
$$a<-\dfrac{1}{3}・・・(答え)$$
問題③|連立不等式の解に入る整数が3つだけとなる
$$\left\{%
\begin{array}{l}
3a+1<x・・・Ⓐ\\
x<\dfrac{11}{4}・・・Ⓑ
\end{array}
\right.$$
Ⓑは、$x<2.75$ であるから、解に入る整数が3つだけのとき、その整数の値は
$$x=0,1,2$$
すなわちこの問題は、ⒶⒷを同時に満たす整数解が $0,1,2$ のみになる、$a$ の値の範囲を求めればよい。
よって、条件は
$$-1≦3a+1<0・・・(条件)$$
(条件)より、各辺に $-1$ を足して
$$-2≦3a<-1$$
各辺を $3$ で割って
$$-\dfrac{2}{3}≦a<-\dfrac{1}{3}・・・(答え)$$
一次不等式の応用問題の解き方|「文章問題」編
一次不等式の応用問題と聞いて、パッと思い浮かぶのが「文章問題」だと思います。
まず、文章を理解するのが面倒ですよね(笑)
一次不等式の文章問題を解くコツは、『問題文を読みつつ、各文字・数値の関係を図示する』こと。
慣れるまではしっかりと図を書きつつ、聞かれている内容を丁寧に理解することが重要です。
- 16% の食塩水が 150g ある。これに水を加えることで、5%以上10%以下 の食塩水を作りたい。加える水の重さの範囲を求めよ。
- 地点Aから地点Bまでの距離は 5km 離れている。地点Aからスタートし、はじめは 毎時6km の速さで歩き、途中から 時速11km の速さで走った。スタートしてから 30分~45分 で地点Bに到着したい場合、時速11km で走る距離を何km以上何km以下にすればいいかを求めよ。
- ある物質を水で溶かした 1%、5%、10% の水溶液がある。これら2種または3種の水溶液を混ぜ合わせて、7.3% の水溶液を 100g作る場合、1%水溶液は何gまで使用することが可能か。また、10%水溶液の使用にはどのような制限があるか。
》リターン:目次
問題①|食塩水の重さの範囲
$16$%の食塩水だから、仮に食塩水の量が$100g$なら食塩の量は$16g$。
今回は食塩水が$150g$あるので、食塩の量は$16×1.5倍$で$24g$であることが分かる。
また、次のように比例式で計算することもできる。
$16$% : $100$% = $xg$ : $150g$
$(食塩の割合$:$全体の割合$=$食塩の量$:$全体の量)$
$$100×x=16×150$$
$$100x=2400$$
$$x=24$$
同じように$5$%の食塩水なら、今回は食塩水が$150g$だから、加える水の量を$x$とすると次の比例式が成り立つ。
$5$% : $100$% = $24g$ : $(150+x)g$
※食塩の量(24g)は変わらない
これを解くと
$$100×24=5×(150+x)$$
両辺を5で割って
$$20×24=150+x$$
$$480-150=x$$
$$330=x・・・Ⓐ$$
Ⓐを導き出したのと同様の手順で、$10$%の食塩水を作るときに加えた水の量$x$を計算すると、
$10$% : $100$% = $24g$ : $(150+x)g$
$$10×24=150+x$$
$$240-150=x$$
$$90=x・・・Ⓑ$$
ⒶⒷより、5%以上10%以下の食塩水を作るために加える水の重さの範囲は
$$90≦x≦330・・・(答え)$$
加える水の量が90gより少ないと、10%超過の食塩水ができてしまうし、330gより多いと、5%未満の食塩水になる。
問題②|走る時間
時速$11km$で走った距離を$Xkm$とすると、時速$6km$で歩いた距離は$(5-X)km$。
歩いた距離と走った距離、それぞれを移動するのにかかった時間を式に表すと、以下のようになる。
$$\dfrac{5-X}{6}・・・歩くのにかかった時間$$
$$\dfrac{X}{11}・・・走るのにかかった時間$$
$$【重要】距離÷速さ=時間$$
よって、地点Aから地点Bに移動するのにかかる時間は、
$$\dfrac{5-X}{6}+\dfrac{X}{11}$$
通分して
$$\dfrac{-5X+55}{66}$$
すなわち、地点Aをスタートしてから30分~45分で地点Bに到着したい場合、次の不等式が成立する
$$\dfrac{1}{2}≦\dfrac{-5X+55}{66}≦\dfrac{3}{4}・・・Ⓐ$$
$$※30分・45分はそれぞれ、\dfrac{1}{2}時間・\dfrac{3}{4}時間と表せる$$
Ⓐより、各辺に$66$を掛けて
$$33≦-5X+55≦\dfrac{198}{4}$$
各辺に$4$を掛けて
$$132≦-20X+220≦198$$
各辺から$220$を引いて
$$-88≦-20X≦-22$$
最後に、各辺を$-20$で割ると
$$1.1≦X≦4.4・・・(答え)$$
問題③|複数種類の水溶液(名城大学 過去問)