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この記事を読むことで、数学が苦手なあなたでも、素早く正確に「二次関数の頂点と軸」を求めることができるようになります。
例題を使ってわかりやすく解説しているので、サクッと理解できるはずですよ!
それでは、レッツゴーッ!
この記事を書いている私は、受験指導歴8年の現役塾講師です。
出身は岩手県で、立命館大学に進学・卒業した後、大手塾講師として200人以上の中高生の勉強相談に答えてきました。
二次関数の頂点と軸の求め方(平方完成ver)
まずは、二次関数の頂点と軸の求め方について、「平方完成を利用する方法」をご紹介します。
例題を用いつつ解説しているので、スッと理解できるはずですよ。
「公式を利用する方法」を知りたい方は、以下のスキップリンクからどうぞ。
》スキップ:「公式利用を利用する方法」を見る
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平方完成ってなんだっけ?
そもそも平方完成とは、$y=ax²+bx+c$ の形の二次関数を、$y=a(x-p)²+q$ に変形することでしたね。
そして、変形後の $p$ と $q$ はそれぞれ、その二次関数の $頂点(p,q)$ を意味しています。
ちなみに、平方完成のやり方を忘れてしまった方は、以下の記事が参考になりますよ。
》参考:平方完成を10秒で終わらせるコツと方法|基本+簡単なやり方を解説
平方完成で頂点と軸を求めてみよう
では早速、二次関数の頂点と軸を平方完成で求めてみましょう。
今回用意した例題はこちら。
$$\Large{y=2x²+4x+6}$$
平方完成を行う場合、とにかく $x²$ と $x$ に注目しましょう。
まずは $x²$ の係数 $2$ で、$2x²+4x$ をくくって
$$y=\color{red}2(x²+2x)\color{black}+6$$
$x$ の係数 $2$ の半分の $1$ の平方 $(1)²$ を勝手に作って加え、加えた分を引くと
$$=2[x²+2x+\color{red}(1)²-(1)²\color{black}]+6$$
この時、$x²+2x+(1)²$ に注目すると、$(x+1)²$ に因数分解できるのが分かる。
$$=2[\color{red}x²+2x+(1)²\color{black}-(1)²]+6$$
よって、$x²+2x+(1)²$ を、因数分解すると
$$=2[\color{red}(x+1)²\color{black}-(1)²]+6$$
最後に、余計な $-1$ をカッコの外に出して、計算したら平方完成は完了です。
$$=2(x+1)²\color{red}-2+6$$
$$=2(x+1)²+4$$
$y=2(x+1)²+4$ を $y=a(x-p)²+q$ の形に当てはめると、
$$p=-1$$
$$q=4$$
すなわち、$y=2x²+4x+6$ の頂点と軸はそれぞれ、
$頂点$ $\color{red}(-1 , 4)$
$軸$ $\color{red}-1$
二次関数の頂点と軸の求め方(公式利用ver)
続いては、公式を利用して二次関数の頂点と軸を求める方法について解説します。
実は、二次関数の頂点と軸を求めるだけなら、公式を利用した方が早く・正確に計算できます。
ぜひこの機会に、公式とその利用方法を覚えて、テストや模試でガンガン利用しちゃってください!
》スキップ:練習問題を解きにいく
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二次関数の公式ってなんだっけ?
実は、すべての二次関数は $y=ax²+bx+c$ の文字式に表すことができます。
例えば、$$y=2x²+4x+6$$ は、上の文字式に$a=2,$ $b=4,$ $c=6$ を代入したもの。と考えられますよね。
つまり、$y=ax²+bx+c$ を文字式のまま平方完成した式(公式)に、二次関数の実数を当てはめれば、複雑な計算をしなくても頂点と軸が求められるということです。
- 平方完成の公式
$y=ax²+bx+c$ を平方完成すると
$y=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2-\dfrac{b²-4ac}{4a}$ となり、
このとき $\left(-\dfrac{b}{2a},-\dfrac{b²-4ac}{4a}\right)$ が頂点となる。
公式で頂点と軸を求めてみよう
では早速、二次関数の頂点と軸を、公式を使って求めてみましょう。
使用する問題は先ほどと同じく
$$\Large{y=2x²+4x+6}$$
問題の式を $y=ax²+bx+c$ に当てはめると
$a=2,$ $b=4,$ $c=6・・・ⓐ$
平方完成の公式より、
$$-\dfrac{b}{2a}・・・(x座標)$$
$$-\dfrac{b²-4ac}{4a}・・・(y座標)$$
$ⓐ$ より、$a,b,c$ の値をそれぞれ代入すると
$$-\dfrac{4}{4}=-1・・・(x座標)$$
$$-\dfrac{(4)²-4(2)(6)}{4(2)}=4・・・(y座標)$$
すなわち、$y=2x²+4x+6$ の頂点と軸はそれぞれ、
$頂点$ $\color{red}(-1 , 4)$
$軸$ $\color{red}-1$
- 平方完成の公式
$y=ax²+bx+c$ を平方完成すると
$y=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2-\dfrac{b²-4ac}{4a}$ となり、
このとき $\left(-\dfrac{b}{2a},-\dfrac{b²-4ac}{4a}\right)$ が頂点となる。
【練習問題】二次関数の頂点と軸を求めてみよう
- 頂点と軸を求める練習問題
- $y=x²+6x+5の頂点と軸を求めよ$
- $y=\dfrac{1}{4}x²+x-1の頂点と軸を求めよ$
- $y=-4x²+x-1の頂点と軸を求めよ$
- $y=3x²+9の頂点と軸を求めよ$
今回の練習問題は全部で4つ。
高校生が計算ミスをしやすい「分数を含む問題」も用意したので、ぜひチャレンジしてみてください。
各問題の答えと解説は、この先に記載してあります。
》リターン:目次に戻る
二次関数の頂点と軸を求める練習問題①
平方完成を使って解くver
$$\Large{y=x²+6x+5}$$
まずは、$x$ の係数 $6$ の半分の $3$ の平方 $(3)²$ を勝手に作って加え、加えた分を引くと
$$=x²+6x+\color{red}(3)²-(3)²\color{black}+5$$
この時、$x²+6x+(3)²$ に注目すると、$(x+3)²$ に因数分解できるのが分かる。
$$=\color{red}x²+6x+(3)²\color{black}-(3)²+5$$
よって、$x²+6x+(3)²$ を、因数分解すると
$$=(x+3)²-(3)²+5$$
$$=(x+3)²-4$$
よって、$\color{red}頂点(-3,-4)$ $\color{red}軸 -3$ となります。
公式を使って解くver
$$\Large{y=x²+6x+5}$$
$a=1,$ $b=6,$ $c=5$
平方完成の公式より、
$$-\dfrac{b}{2a}・・・(x座標)$$
$$-\dfrac{b²-4ac}{4a}・・・(y座標)$$
$a,b,c$ の値をそれぞれ代入すると
$$-\dfrac{6}{2(1)}=-3・・・(x座標)$$
$$-\dfrac{(6)²-4(1)(5)}{4(1)}=-4・・・(y座標)$$
よって、$\color{red}頂点(-3,-4)$ $\color{red}軸 -3$ となります。
二次関数の頂点と軸を求める練習問題②
平方完成を使って解くver
$$\Large{y=\dfrac{1}{4}x²+x-1}$$
まずは、$x²$ の係数 $\dfrac{1}{4}$ で、$\dfrac{1}{4}x²+x$ をくくって
$$=\color{red}\dfrac{1}{4}(x²+4x)\color{black}-1$$
$x$ の係数 $4$ の半分の $2$ の平方 $(2)²$ を勝手に作って加え、加えた分を引くと
$$=\dfrac{1}{4}[x²+4x+\color{red}(2)²-(2)²\color{black}]-1$$
この時、$x²+4x+(2)²$ に注目すると、$(x+2)²$ に因数分解できるのが分かる。
$$=\dfrac{1}{4}[\color{red}x²+4x+(2)²\color{black}-(2)²]-1$$
よって、$x²+4x+(2)²$ を、因数分解すると
$$=\dfrac{1}{4}[\color{red}(x+2)²\color{black}-(2)²]-1$$
最後に、余計な $-(2)²$ をカッコの外に出して
$$=\dfrac{1}{4}(x+2)²\color{red}-1-1$$
$$=\dfrac{1}{4}(x+2)²-2$$
よって、$\color{red}頂点(-2,-2)$ $\color{red}軸 -2$ となります。
公式を使って解くver
$$\Large{y=\dfrac{1}{4}x²+x-1}$$
$a=\dfrac{1}{4},$ $b=1,$ $-1$
平方完成の公式より、
$$-\dfrac{b}{2a}・・・(x座標)$$
$$-\dfrac{b²-4ac}{4a}・・・(y座標)$$
$a,b,c$ の値をそれぞれ代入すると
$$-\dfrac{1}{2\left(\dfrac{1}{4}\right)}=-2・・・(x座標)$$
$$-\dfrac{(1)²-4\left(\dfrac{1}{4}\right)(-1)}{4\left(\dfrac{1}{4}\right)}=-2・・・(y座標)$$
よって、$\color{red}頂点(-2,-2)$ $\color{red}軸 -2$ となります。
二次関数の頂点と軸を求める練習問題③
平方完成を使って解くver
$$\Large{y=-4x²+x-1}$$
まずは、$x²$ の係数 $-4$ で、$-4x²+x$ をくくって
$$=\color{red}-4\left(x²-\dfrac{1}{4}x\right)\color{black}-1$$
$x$ の係数 $-\dfrac{1}{4}$ の半分の $-\dfrac{1}{8}$ の平方 $\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2$ を勝手に作って加え、加えた分を引くと
$$=-4\left[x²-\dfrac{1}{4}x+\color{red}\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2-\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2\color{black}\right]-1$$
この時、$x²-\dfrac{1}{4}x+\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2$ に注目すると、$\left(x-\dfrac{1}{8}\right)^2$ に因数分解できるのが分かる。
$$=-4\left[\color{red}x²-\dfrac{1}{4}x+\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2\color{black}-\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2\right]-1$$
よって、$x²-\dfrac{1}{4}x+\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2$ を、因数分解すると
$$=-4\left[\color{red}\left(x-\dfrac{1}{8}\right)^2\color{black}-\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2\right]-1$$
最後に、余計な $-\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2$ をカッコの外に出して
$$=-4\left(x-\dfrac{1}{8}\right)^2\color{red}+4\left(-\dfrac{1}{8}\right)^2-1$$
$$=-4\left(x-\dfrac{1}{8}\right)^2\color{red}+\left(\dfrac{1}{16}\right)-1$$
$$=-4\left(x-\dfrac{1}{8}\right)^2-\dfrac{15}{16}$$
よって、$\color{red}頂点\left(\dfrac{1}{8},-\dfrac{15}{16}\right)$ $\color{red}軸 \dfrac{1}{8}$ となります。
公式を使って解くver
$$\Large{y=-4x²+x-1}$$
$a=-4,$ $b=1,$ $-1$
平方完成の公式より、
$$-\dfrac{b}{2a}・・・(x座標)$$
$$-\dfrac{b²-4ac}{4a}・・・(y座標)$$
$a,b,c$ の値をそれぞれ代入すると
$$-\dfrac{1}{2(-4)}=\dfrac{1}{8}・・・(x座標)$$
$$-\dfrac{(1)²-4(-4)(-1)}{4(-4)}=-\dfrac{15}{16}・・・(y座標)$$
よって、$\color{red}頂点\left(\dfrac{1}{8},-\dfrac{15}{16}\right)$ $\color{red}軸 \dfrac{1}{8}$ となります。
二次関数の頂点と軸を求める練習問題④
このような問題では、平方完成したり公式を利用したりする必要はありません。
$y=3x²+9$ をグラフにすると
よって、$\color{red}頂点(0,9)$ $\color{red}軸 0$ となります。
以上で、「二次関数の頂点と軸の求め方」の授業は終了!
不明な点があったら「わからないまま」にせず、もう一度授業を読み返そう!
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