平方完成を10秒で終わらせるコツと方法|基本+簡単なやり方を解説

数学が苦手な高校1年生「平方完成が苦手です!手順がややこしくて計算が増えるし、分数が入ってくると泣きたくなります。平方完成の基本的なやり方と、簡単なやり方を5分以内に教えてください!

 

この記事では、こんな疑問を解決しています。

 

 

  • 本日の授業テーマ
平方完成を10秒で終わらせるコツと方法|基本+簡単なやり方を解説

 

  • 本日の授業内容

 

早く知りたい方が多いと思うので、まずは「平方完成を10秒で終わらせるコツ」から紹介します。

ただ、これは「裏ワザ」に近い手法なので、本記事をしっかりと最後まで読んで「本来の平方完成の手順」も理解して帰ってくださいね。

 

それでは、レッツゴーッ!

 

この記事を書いたのは誰?

この記事を書いている私は、受験指導歴8年の現役塾講師です。

出身は岩手県で、立命館大学に進学・卒業した後、大手塾講師として200人以上の中高生の勉強相談に答えてきました。

 

平方完成を10秒で終わらせるやり方とコツ

 

ぎもん君
平方完成が10秒で終わる!?

てのひら先生
と、驚いた方も少なくないはず。
結論からいって、終わります。

 

やり方はカンタンで、次の通り。

 

  • 10秒で平方完成するやり方とコツ
    1. $x²$ の係数の逆数と、$x$ の係数の半分を掛ける
      →$()$ の中に書き込む
    2. $x$ の係数の半分と、$()$ の中の数字を掛ける
      →定数項と引き算する

     

    最初は文字式で考えてみよう。$$y=ax²+bx+c$$

    事前に平方完成の完成形を作っておく。

    $$=a(x・・・)²+c$$

    $$・・・は空欄の意味$$

     

    第一に、$x²$ の係数の逆数と $x$ の係数の半分を掛ける。

    $$\dfrac{1}{a}×\dfrac{b}{2}$$

    $$\dfrac{b}{2a}$$

     

    その結果を、完成形の $()$ の中に書き込むと、

    $$=a\left(x\color{red}+\dfrac{b}{2a}\color{black}\right)^2+c$$

     

    第二に、$x$ の係数の半分と $()$ の中の数字を掛ける

    $$\dfrac{b}{2}×\dfrac{b}{2a}$$

    $$\dfrac{b²}{4a}$$

     

    それを定数項と引き算すると

    $$=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2\color{red}+c-\dfrac{b²}{4a}$$

    $$a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2\color{red}-\dfrac{b²}{4a}+c$$

    $$=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2-\dfrac{b²-4ac}{4a}$$

     

    最後の行の式は、そのまま「平方完成の公式」としても利用でき、以上の計算が正しいことが分かる。

     

    • 平方完成の公式

    $y=ax²+bx+c$ を平方完成すると

    $y=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2-\dfrac{b²-4ac}{4a}$ となり、

    このとき $\left(-\dfrac{b}{2a},-\dfrac{b²-4ac}{4a}\right)$ が頂点となる。

     

    じゃあ次は、実数を使ってやってみよう。$$y=2x²+4x+3$$

     

    事前に平方完成の完成形を作っておく。

    $$=2(x・・・)²+3$$

    $$・・・は空欄の意味$$

     

    第一に、$x²$ の係数の逆数と $x$ の係数の半分を掛ける。

    $$\dfrac{1}{2}×\dfrac{4}{2}$$

    $$1$$

     

    その結果を、完成形の $()$ の中に書き込むと、

    $$=2\left(x\color{red}+1\color{black}\right)^2+3$$

     

    第二に、$x$ の係数の半分と $()$ の中の数字を掛ける

    $$\dfrac{4}{2}×1$$

    $$2$$

     

    それを定数項と引き算すると

    $$=2\left(x+1\right)^2\color{red}+3-2$$

    $$=2\left(x+1\right)^2+1$$

     

    以上が、平方完成の裏ワザ的やり方だ。

     

    ぜひ、いったんここでスクロールを止めて、実際に手を動かしながらこの裏ワザを試してみてほしい。

    同じ問題でいいから、3~5回ほどこの方法で平方完成すれば、この手法の楽さに気が付けるはずだ。

     

    慣れれば平均10秒ほどで、平方完成できるようになる。

     

    基本的な平方完成の手順とコツ|文字式を使って解説

     

    さて、ここからは「基本的な平方完成の手順とコツ」について解説する。

    前章で紹介した裏ワザは、あくまでも「早く計算するテクニック」に過ぎず、平方完成の本質は見えてこない。

     

    王道あっての裏道なのだから、しっかりと基本の解き方もマスターしよう!

     

    • 基本的な平方完成の手順とコツ

    ※リンクをクリックすれば練習問題へジャンプできます

    その①:文字式で平方完成の公式を作ろう!

    まずは $x²$ の係数 $a$ で、$ax²+bx$ をくくる。$$y=a\left(x²+\dfrac{b}{a}x\right)+c$$

     

    次に $x$ の係数である $\dfrac{b}{a}$ の半分 $\dfrac{b}{2a}$ の平方 $\left(\dfrac{b}{2a}\right)^2$ を勝手に作って加え、勝手に加えた分を引く。

    $$=a\left[x²+\dfrac{b}{a}x+\color{red}\left(\dfrac{b}{2a}\right)^2-\left(\dfrac{b}{2a}\right)^2\right]+c$$

     

    このとき、以下の赤字部分に注目すると、$s²+2st+t²$ のような形が見えてくる。

    $$=a\left[\color{red}x²+\dfrac{b}{a}x+\left(\dfrac{b}{2a}\right)^2\color{black}-\left(\dfrac{b}{2a}\right)^2\right]+c$$

     

    赤字部分を$s²+2st+t²=(s+t)²$ のように、無理やり因数分解する。

    $$=a\left[\color{red}\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2\color{black}-\left(\dfrac{b}{2a}\right)^2\right]+c$$

     

    最後に、余計な $-\left(\dfrac{b}{2a}\right)^2$ をカッコの外に出して、計算したら完了だ。

    $$=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2\color{red}-a\left(\dfrac{b}{2a}\right)^2+c$$

    $$=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2\color{red}-\dfrac{b²}{4a}+c$$

    $$=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2-\dfrac{b²-4ac}{4a}$$

    てのひら先生
    カッコの外に出すときは、分配法則で $a$ を掛けることも忘れずにね!

     

    • 平方完成のコツと手順
    • 手順①:$x²$の係数で$x²$と$x$をくくる
    • 手順②:無理やり因数分解して$(s+t)²$の形を作る
    • 手順③:勝手に作った数字を{ }の外に出して計算する

    てのひら先生
    平方完成のコツは、手順①の後に $s+2st+t²$ の形を無理やり作って、因数分解できる状態を整えること!

     

    このように、$(s+t)²$ という形を無理やり作るのが、平方完成をスムーズに進めるコツ。

     

    • 平方完成の公式

    $y=ax²+bx+c$ を平方完成すると

    $y=a\left(x+\dfrac{b}{2a}\right)^2-\dfrac{b²-4ac}{4a}$ となり、

    このとき $\left(-\dfrac{b}{2a},-\dfrac{b²-4ac}{4a}\right)$ が頂点となる。

     

    実際の問題を解く時は、公式さえ覚えていれば $a,$ $b,$ $c$ に実数を代入することで、簡単に頂点の座標が求められる。

     

    てのひら先生
    平方完成でミスするのが不安なので、公式を暗記しても良いですか?

    てのひら先生
    もちろん、それでもOKです。
    平方完成の目的は「頂点座標を知ること」なので、それができれば方法は問いません。

     

    その②:例題を使って平方完成を実践しよう!

     

    続いては、実際の二次関数を平方完成しつつ、コツと手順を確認していこう。

    今回用意した例題はこちら。

     

    $$y=2x²+4x+3を平方完成せよ。$$

     

    ぎもん君
    なんか、できそうな気がする….

    てのひら先生
    と思った人は、一端スクロールを止めて、解説なしで平方完成にチャレンジしてみましょう!

     

    まずは $x²$ の係数 $2$ で、$2x²+4x$ をくくる。

    $$y=\color{red}2(x²+2x)\color{black}+3$$

     

    $x$ の係数 $2$ の半分の $1$ の平方 $(1)²$ を勝手に作って加え、加えた分を引く。

    $$=2\left[x²+2x+\color{red}(1)^2-(1)^2\color{black}\right]+3$$

     

    この時、$x²+2x+1$ に注目すると、$(x+1)²$ に因数分解できるのが分かる。

    $$=2\left[\color{red}x²+2x+\color{red}(1)^2\color{black}-(1)^2\right]+3$$

     

    $x²+2x+1$を、因数分解する。

    $$=2\left[\color{red}(x+1)^2\color{black}-(1)^2\right]+3$$

     

    最後に、余計な$-1$ をカッコの外に出して、計算したら完了だ。

    $$=2(x+1)^2\color{red}-2+3$$

    $$=2(x+1)^2+1・・・(答え)$$

     

    間違わずに平方完成するコツは、平方完成した式を展開したときに「元の式に戻るかどうか?」を確認するクセをつけることだ。

    ※展開して元に戻らないようなら、その平方完成は間違っていたことになる

     

    やや面倒だが、確認するクセをつけるだけで99%のミスは防げるはずだ。

     

    なんで平方完成をする必要があるの?

     

    平方完成とは、二次関数 $y=ax²+bx+c$ を、$y=a(x-p)²+q$ の形に変形することをいう。

    また、$y=a(x-p)²+q$ の $(p,q)$ が、その二次関数の頂点となる。

     

     

    このように、平方完成を行うとその二次関数の「頂点の座標」を知ることができる。

     

    また、「頂点の座標」は二次関数問題を解くときに必須の情報だ。

    よって、それを素早く知るためにも、平方完成は必ず身に付けておくべきテクニックというわけだな。

     

    平方完成をマスターできる3つの練習問題

     

    それでは、最後に練習問題を解いて、平方完成のコツと手順をきっちりと頭に叩き込んでいこう!

     

    今回用意した練習問題は次の3つ。

    間違わずに解けたなら、平方完成はもはや敵じゃないぞ。

     

    • 平方完成をマスターするための練習問題3選
    • $y=x²-2x+5$の頂点の座標を求めよ
    • $y=2x²+8x-5$の頂点の座標を求めよ
    • $y=\dfrac{1}{2}x²+x-1$の頂点の座標を求めよ

    平方完成をマスターする練習問題①

    問題|$y=x²-2x+5を平方完成せよ$
    答え|$(x-1)²+4$

     

    $$y=x²-2x+5$$

     

    $x$ の係数 $-2$ の半分 $-1$ の平方 $1²$ を作って加え、加えた分を引くと

    $$=(x²-2x+1²-1²)+5$$

     

    $x²-2x+1²$ に注目して因数分解すると

    $$=\{(x-1)²-1²\}+5$$

     

    最後に、余計な $-1²$ を外に出して計算すると

    $$=(x-1)²+4・・・(答え)$$

     

    平方完成をマスターする練習問題②

    問題|$y=2x²+8x-5を平方完成せよ$
    答え|$2(x+2)²-13$

     

    $$y=2x²+8x-5$$

    $x²$ の係数 $2$ で、$2x²+8x$ をくくると

    $$=2(x²+4x)-5$$

     

    $x$ の係数 $4$ の半分 $2$ の平方 $2²$ を作って加え、加えた分を引くと

    $$=2(x²+4x+2²-2²)-5$$

     

    $x²+4x+2²$ に注目して因数分解すると

    $$=2\{(x+2)²-2²\}-5$$

     

    最後に、余計な $-2²$ を外に出して計算すると

    $$=2(x+2)²-13・・・(答え)$$

     

    平方完成をマスターする練習問題③

    問題|$y=\dfrac{1}{2}x²+x-1を平方完成せよ$
    答え|$\dfrac{1}{2}(x+1)²-\dfrac{3}{2}$

     

    $$y=\dfrac{1}{2}x²+x-1$$

    $x²$ の係数 $\dfrac{1}{2}$ で、$\dfrac{1}{2}x²+x$ をくくると

    $$=\dfrac{1}{2}(x²+2x)-1$$

     

    $x$ の係数 $2$ の半分 $1$ の平方 $1²$ を作って加え、加えた分を引くと

    $$=\dfrac{1}{2}(x²+2x+1²-1²)-1$$

     

    $x²+2x+1²$ に注目して因数分解すると

    $$=\dfrac{1}{2}\{(x+1)²-1²\}-1$$

     

    最後に、余計な $-1²$ を外に出して計算すると

    $$=\dfrac{1}{2}(x+1)²-\dfrac{1}{2}-1$$

    $$=\dfrac{1}{2}(x+1)²-\dfrac{3}{2}・・・(答え)$$

     

    以上で本日の授業は終了だ。

    平方完成は二次関数問題を解くために必須の知識・テクニックだ。

    繰り返し問題を解いて、平方完成のコツを覚えよう!